私たちの実践

試練の向こう側で、すでに道は開かれていた!

2018年、わが社は創業50年を迎えました。その年の暮れから翌年初めにかけて、突然、5名の中堅社員から退職の申し出があったのです。5名ともそれぞれやむを得ない事情での退職希望ではありましたが、会社の主要部門を牽引してきた彼らがいなくなると、大幅な売り上げの減少につながります。会社の存続に関わるような大きな試練でした。

そんなとき、「試練は呼びかけ」という高橋先生の言葉を心に置き、「シリーズセミナー」で学んだ神理実践シートに取り組む中で、この事態はわが社に「呼びかけ」を運んできたのではないかと感じるようになりました。

わが社は、無線通信設備の設置工事専門の会社としてスタートしましたが、ユーザーの大半は官庁の公共事業でした。しかし、この15年間ほどは業績が低迷し、価格競争や働き方改革との兼ね合いもあり、社内には様々な問題が生まれていました。私はそれらの課題について、TL人間学(魂の学)のセミナーや地方会で取り組み続けました。

その中で、新規採用者の増加、社内研修のシステム化、社内情報誌によるコミュニケーションの活性化、新しいリーダーの育成、わが社にとって新分野である集音器「フォンテック」の開発……等々、1つ1つ道がついてゆき、気がつけば、会社の雰囲気が変わっていたのです。

今、2年前に掲げた社是「自立」「協働」「貢献」が具体的な形として起動していることに、私自身、驚きを禁じ得ません。5人の社員が辞めても、公共事業の受注は減ることはなく、さらに長年の懸案であった「民需の拡大」も進み、社内は一層活気づいています。

今回の試練は、「『公共事業に依存する体質を脱却して民需へ移行し、第2創業へ』という長年の課題を果たすチャンスはまさに今」という呼びかけでした。もちろん、課題はまだまだありますが、TL人間学(魂の学)によれば、必ず道は開けるという確信があります。今後も、社員と響働し、社会に貢献できる会社をめざしてゆきます。

平松義朗さん

「人と先端技術の間を結び、人や社会のお役に立つことにより、仕事の生きがいや誇りが社内に満ちあふれるような会社をつくってゆきたい」と語る平松さん

高齢者の方々の要望を取り入れ、試作に試作を重ねてつくられた高性能集音器「フォンテック」。「装着していることを隠さないおしゃれな集音器を」との高橋先生のお言葉が青写真となった

社員と明るく談笑する平松さんからは、かつて「背広を着た冷蔵庫」と言われていた姿は想像できない