心を転換して現実を変える――「TL人間学」が拓く専門分野の新たな地平
5月19日(日)、「高橋佳子新刊出版記念2024TL人間学シンポジウム」が、東京プリンスホテル(鳳凰の間)から全国の会場を中継で結んで開催され、5000名を超える方々が参加されました(主催:TL人間学シンポジウム実行委員会、参加対象:経営・医療・教育・法務・福祉などの専門分野に携わる方々)。
「TL人間学」(魂の学)は、人間を魂と見る人間観・世界観を基として、「魂―心―現実」のつながりをトータルに捉え、新たな問題解決と創造の道を拓く実践哲学です。
本シンポジウムは、その「TL人間学」の提唱者・高橋先生の新刊『もう1人の自分――「魂の賢者」を呼び覚ます』の出版を記念して開催されました。
13時、プログラム開始。
まず、高橋先生の日頃の活動が映像構成で紹介された後、「TL人間学」を実践する専門分野の方々によるパネルディスカッションが行われました。
破綻する地方医療、超高齢化多死社会における介護の問題、次々に訪れる経営の危機など、現代社会を象徴するような諸問題を乗り越え、新たな道を切り開いた実践が分かち合われました。それらは、分野は異なれども「心と現実は不可分につながっている」という「TL人間学」の法則によって心を転換し、「もう1人の自分」が引き出されることで新たな現実を創造してゆくダイナミックな歩み――。参加者の方々は、「こういう道の開き方があるのか!」と、驚きとともに人間のもつ潜在力に希望を見出してゆかれました。
人生に「魂の次元」を加え、「もう1人の自分」を呼び出す
休憩の後は、高橋先生の講演です。
冒頭、先生は、ある企業のプロモーション映像を介在に、心が感じることと魂が感じることは別であること、人間とそれを取り囲む世界は、すべて「魂―心―現実」というまなざしで捉えることができることを示されました。
そして、心の次元には「快と苦」に反応するセンサー、魂の次元には「願いと後悔」に反応するセンサーがあり、魂のセンサーは「指導原理」(この世界にはたらいている人生を導く力)をキャッチして、私たちの人生を確かな道へと導いてくれると説かれました。
さらに、心の次元のみでは「HOW」(どうしたらよいか)に終始して刹那的、感情的、利己的な判断に陥ってしまうが、そこに魂の次元が加わると、「WHY」(なぜそうしようとしているのか)を探求するようになり、熟慮や理性に裏打ちされた本質的・全体的な未来のヴィジョンを抱くことができると説かれたのです。
では、人生に魂の次元が加わったとき、そこにどのような変化が起こるのか――。先生は、大手電機メーカーに勤務する1人の男性を壇上に招かれ、対話を重ねながら、その変化を詳らかにしてゆかれました。
仕事上の絶体絶命の試練に直面したとき、魂の次元を取り戻し、深い動機に根ざした目的を見出して、全体がより良き方向に向かうように1つ1つの選択を重ねていった結果、想像もしなかった道が開かれたこと。それは、HOWだけで対応していたら決して開かれなかった道であり、WHYを自らに問うことによって導かれた奇跡であること。そして、そこには、何よりも内的な変化とともに「もう1人の自分」が現れていること――。参加された方々は、魂の次元のセンサーをもつことで開かれる道の深遠さに、固唾をのんで聞き入りました。
最後に、先生はこのように語られました。
――人生に魂の次元を加えるとは、「もう1人の自分」を呼び出すことです。そのことによって、私たちは、人生に圧倒的な力を手にすることができるようになります。このインパクトはあらゆる業界に通じることです。「もう1人の自分」は、あなたの中に呼び出されるその日を待っています。そのときが訪れることを願って、本日の講演の結びとさせていただきます。――
人生に魂の次元を加え、「もう1人の自分」を呼び覚ますことによってこそ、専門分野の新しい未来が開かれる――。その確信とともに、参加者の方々の新たな歩みが始まりました。
参加者の声
これこそまさに教育のあるべき姿
私は大学の職員ですが、先生のお話を伺って「これこそまさに教育のあるべき姿だ」と感じました。人の可能性を最大限に引き出すための洞察力と力強さ、そのコンサルティング力がものすごいです。既成概念にとらわれず、目の前の人に本気で寄り添うからこそ、その方の可能性が引き出されるのだと思いました。それは、先生ご自身が「天に生かされている感覚」を抱いていらっしゃるからではないかと感じました。実践報告者が涙されているのを見て、1度つらい闇のトンネルを経験して光の道に導かれているからこそ、人間としての深さが表れていると感じました。私も、今までの自分にはない考え方や人との関わりをもっと学びたいと思います。
(20代男性・教育分野・初参加)
「なぜこの仕事をしているのか」をこれから深めてゆきたい
「心の次元」での実践はそこそこの結果は出るけれど、「この仕事にどんな意味があるのか」と深く掘り下げ、考えてゆくことによって大きなインパクトが出てくることに関心を抱きました。先生の講演で、どう自分を変えてゆけばよいかという視点を学ぶことができて、とてもよかったです。私は今、職場で部署をまとめる役割をしていますが、ただ仕事をするのではなく、「自分たちはなぜこの仕事をしているのか」を深めることを皆に促してゆきたいです。自分だけではなく、チームの皆さんにも共有して、良い結果をめざしてやってゆきたいと思います。
(40代男性・経営分野・初参加)
目の前に明るい道が開けて光が射し込んだ
私は施設を始めて10年経ちますが、これ以上前に進めず、「自分が人間的に成長しないと会社が成長しない」と悩み、知り合いの方の紹介で参加しました。先生の講演をお聴きして、自分もこの10年は選択の連続でしたが、もし、「もう1人の自分」を見出すことができていたら、1つ1つの選択が違ってきて、別の道を歩めたのではないかと感じました。今、目の前に明るい道が開けて光が差し込んだようです。自分だけではなく周りの人たちも「もう1人の自分」を引き出し、皆で輝いて生きることができたら、どんなに素晴らしいでしょうか。私も、その道を歩んでゆきたいと思いました。
(40代女性・福祉分野・初参加)
今日は自分が生まれ変わったような1日だった
終了後、先生から声をかけていただき、びっくりしました。講演には本当に驚きました。想像以上のことが起こっていることを目の当たりにして、自分の知らない世界に触れることができて、とてもよかったです。実践報告をされた方への先生のご指導は、「すごい」の一言です。ずっと震えが止まりませんでした。HOWでは道は開かないが、WHYでは道が開く。納得ができる説明でした。私も「もう1人の自分」を見つけたいと憧れました。「人生、まだ捨てたもんじゃない。もっと成長できる」と希望を感じ、これからを「挑戦すること」を課題としてゆきたいと思います。今日は、自分が生まれ変わったような1日でした。
(50代男性・医療分野・初参加)
あるべき姿のために私自身が変わらなければならないことがわかった
初めて参加しました。先生にお会いしたのも初めてです。先生の魂のスケールの大きさに圧倒されました。実は今、ここでお茶を頂いていたら、先生が歩いて来られて、声をかけてくださったんです。自然にお話ができて感動しました。私は障害者授産施設で働いていますが、先生の講演をお聴きして、自分があるべき姿になるために、施設全体があるべき姿になるために、私自身が変わらなければならないことがわかりました。実践報告も「本当にそんなことがあるのか!?」と驚きました。そして、今日、このお話を聞くために私はこの場に来たのだと感じています。
(50代男性・福祉分野・初参加)
「心と魂は違うことを感じている」ということが心に残った
先生のお話で、「心と魂は違うことを感じている」ということが心に残りました。会社は「儲けること」が第一優先なので、業績を上げたり、社員の生活を底上げしたりすることには重きを置いてきましたが、「お客さんのためを思っていたか」と振り返ると、与えられた仕事をただ淡々とこなし、及第点のものを納品していただけでした。今日は、HOWだけの生き方を転換するという大変興味深いお話をお聴きできて、目から鱗です。私もぜひもっと学び、「もう1人の自分」を見つけてゆきたいと思います。
(50代男性・経営分野・初参加)