11月23日(水・祝)、第31回トータルライフ(TL)医療学術集会が開催されました!

2022年12月1日
レポート
医療

「日本再生の潮流を起こす――超高齢多死社会を迎え撃つ」

11月23日(水・祝)、東京・お茶の水ソラシティカンファレンスセンターにおいて、第31回トータルライフ(TL)医療学術集会が開催されました。
テーマは「日本再生の潮流を起こす――超高齢多死社会を迎え撃つ」。
昨年と一昨年はコロナ禍の影響でオンライン開催でしたが、今年は、会場とオンライン同時開催となり、雨天にもかかわらず多くの方々が会場に参加されました。
当日は、医師、看護師、理学療法士等の医療従事者の方々によって、シンポジウム、分科会、パネルディスカッション合わせて28の演題が発表されました。
シンポジウムは、「精神科医療」「イノベーション」「コロナ禍」「新たなシステム創造」という4つのテーマで進められ、分科会では、「新しい在宅医療・介護のウェーブを起こす」「対話の医療」「新たな医療の可能性」というテーマで、それぞれの医療現場における実践が発表されました。また、今回は、初めて医学生による発表が行われ、未来を担う新しい力の胎動が見られたのも特徴の1つです。
いずれの発表も、患者さんの4つの痛み(身体的、精神的、社会的、霊的な痛み)に応えるものであり、新たな治療法の開発、ケアに必要な補助用具の製品化、「魂の学」に基づく診断プロセス適正化に関する新たな検討、さらに、病院の立て直しや自治体での事業の推進、地域の包括的セキュリティ教育など、「魂の学」に基づく医療の力と多様性が感じられるものでした。

人口減少研究の専門家による教育講演

教育講演では、人口減少研究の専門家をお招きし、「人口減少と医療の行方」というテーマでお話しいただきました。「2025年問題」のみならず、その先にある「2042年問題」について、データに基づいた人口の将来推計をもとに、少子高齢化が進んだ社会で起きる深刻かつ危機的な諸問題が示され、これから日本で起きる超高齢多死社会の現実を衝撃とともに受けとめる時間となりました。

パネルディスカッション――人間を魂として見る医療実践とは

教育講演の後は、パネルディスカッションです。
訪問看護ステーション看護師、小児在宅医療のパイオニアの医師、神経難病や発達障害児を専門とする小児科医の3名より事例発表が行われました。いずれの事例も、「人間を魂と見る医療」によって、内にある可能性を引き出し、症状の改善や癒やし、絆の深まりといった現実を生み出すものでした。
そして、その実践の背景には、高橋先生のTL人間学を学び、「永遠の生命としての人間観・世界観」を知り、「専門家である前に1人の人間」という原点に立った歩みがあったのです。
世界に先駆けて超高齢多死社会を迎えている日本。しかし、「人間を魂と見る医療」ならば、超高齢多死社会を迎え撃つことができる。そして、日本再生の潮流を起こすことができる――。そのような希望と確信、未来に向かう志が響き合う学術集会でした。
ご関心のある方は、5月14(日)に開催される「高橋佳子新刊出版記念 2023TL人間学シンポジウム」へのご参加をお勧めします(詳しくは→コチラ)。

(文責:TL医療研究会)