許斐博史さん(医師)の著書『生まれてきてくれてありがとう──発達障害児施設の現場から』(三宝出版)に、多くの反響が寄せられています

2021年7月30日
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すべてのお母さんに届けたい! 子どもたちを魂として見て可能性を引き出した感動の実話

東京医科歯科大学、ハーヴァード医科大学、国立精神・神経センター神経研究所などで、脳や神経系に障害を起こすタンパク質や遺伝子の研究に取り組む。その後、発達障害児の医療現場に赴き、2000年より、医療型障害児入所施設・療養介護施設「中川の郷療育センター」施設長。

脳神経科学の研究者として将来を嘱望されていた許斐(このみ)博史さん。しかし、1991年、41歳のとき、研究職を辞し、「もっとも痛みの深い重症の患者さんに具体的に応えたい」と、発達障害などに苦しむ子どもたちの医療現場に飛び込みました。
しかし、現場の問題の重さと深刻さに、「生まれつきの神経の重い病気はどうにもならない」「こんな重い問題は到底引き受けきれない」と悩み、苦しむ日々が続きます。その中で、TL人間学(魂の学)を学び始めた許斐さんは、「たとえどんなに障害が重い子どもでも、心から信じて、全力で関わってゆけば必ず成長する」「親や教師・医師・看護師・保育士たちの関わり方が、子どもたちの未来に決定的な影響を与える」という、新しい感じ方・考え方へと転換。困難な治療に大きな成果を上げてゆくのです。
以来30年、TL人間学(魂の学)に基づく医療に取り組む許斐さんは、現在、在宅の重症心身障害児者のためのレスパイト*機能・通園施設、神経発達障害児者のためのリハビリテーション機能(埼玉県中核発達支援センター)を備えた医療型入所施設(病院)「中川の郷療育センター」の施設長を務めています。

本書は、医師である前に1人の人間として、許斐さんが、発達障害児を育てるお母さんと泣き笑いしながら、共に問題解決の道を探していった挑戦の記録が綴られています。
許斐さんは次のように書かれています。

「本書のタイトル――『生まれてきてくれてありがとう』は、子どもたちに向けて、私の心の深奥から溢れてくる率直な言葉であると同時に、すべての親御さんが抱いていらっしゃるお気持ちを託したものです」

(「はじめに」より)

読者からは、「精神発達障害の娘のありのままをすべて、受けとめてあげたいと思えるようになりました」「私の心とこの子はつながっていたのですね」「障害児を持った親は、相談できるところが非常に少ないのが現状です。これは、私が待っていた本でした!」といった反響が寄せられ、各地から講演依頼が相次いだそうです。そして、そのような声は、発刊後15年以上を経った現在も、許斐さんのもとに届き続けています。許斐さんは、こう語ります。


「この本は、私が書かせていただいたのですが、その内容は高橋佳子先生から教えていただいたことに基づいています。だから、年月を経ても色褪せない。先生の『どんな子どもも、魂の可能性を等しく抱いている』という見方が、この本を通して皆さんに伝わっているのだと思います」

子どもとどう関わってゆけばよいのか──それは、多くの親や教育者が直面しているテーマではないでしょうか。子育てで、教育現場や医療現場で思い悩むすべての人にぜひ読んでいただきたい1冊です。
なお、許斐さんの実践については、高橋先生の著書『未来は変えられる!━━試練に強くなる「カオス発想術」』でも詳しく紹介されていますので、ご覧ください。

* レスパイト:在宅で障害者(児)や高齢者などを介護している家族に、支援者が介護を一時的に代替してリフレッシュしてもらうこと。

『生まれてきてくれてありがとう──発達障害児施設の現場から』
許斐博史著  四六判並製  264頁 定価 1,980円(税込)


以下のサイトからお求めいただけます↓
https://www.sampoh.co.jp/books/umarete/

目次
はじめに
第1章 医師である前に一人の人間として
第2章 信じて関われば、子どもは必ず輝く――お母さんたちの新たな挑戦
1. お母さんが変わることによって、自閉症の子が驚異的に成長
2. 子どもからのSOSを受けとめる
3. 心からの「愛している」というメッセージに、子どもは応えてくれる
4. お母さんが信じて関われば、必ず子どもは成長する
5. 薬を減らしながら、てんかん発作が改善されてゆく道がある
6. どんなに重い障害があっても、必ずコミュニケーションはできる
……
第3章 子どもと出会うときに大切なこと――3つの理念と9つの鍵
第4章 Q&A――発達障害児についての疑問に答える
おわりに