「学力の向上」と「心の育み」を1つに結ぶTL教育

2020年12月15日
レポート
教育

吉川孝さん 元京都市公立小学校校長・64歳

私は、「子どもたちの心を育みたい」と願って、教師になりました。しかし、実際の現場では、子どもの学力をどう上げるかが最優先で、そのための教育法やカリキュラムが重要な課題でした。「心の育み」と「学力の向上」を1つにすることは、はるか遠くの理想としか思えませんでした。

そんなとき、高橋先生が主宰するGLAで、2泊3日の「かけ橋セミナー」(GLAが開催する親子対象のセミナー)に参加したのです。そこで、子どもたちが自分の内側から次々に願いを発見してゆく姿を見て、「これこそ本当の教育だ!」と感じました。

吉川孝さん

そして、TL教育で学ぶ中で、長年の私の悩みに解答が与えられたのです。「子どもを魂と見る教育」では、まず、教師自身が自らの心の弱さを見つめ、転換し、子どもたち1人ひとりの気持ちや背景に寄り添ってゆきます。その関わりによって、子どもたちから願いが引き出され、意志が生まれ、学力が向上してゆくことを、様々な実践を通して教えられました。「私のやりたかったことがここにあった! 心の育みと学力の向上は切っても切れないものだった」と確信しました。

心の育みと学力の向上は切っても切れないものだった

その後、京都市の教育委員会で、独自に道徳の資料集をつくることになりました。私は、TL人間学(魂の学)の「心と現実はつながっている」というまなざしを子どもたちに伝えたいと思い、高橋先生のご著書『ディスカバリー』(三宝出版、1996)の中の2人の旅人の物語を引用させていただき、教材を制作しました。それを使って、新採用の先生方の研修会で模擬授業を行ったところ、「自分の想いと現実がこれほどつながっているとは!」と大きな反響を頂き、その後、京都市でその教材が採用されることになったのです。

私は、2017年に京都市の公立小学校校長を定年退職し、現在は、教育委員会と連携し、初任者指導教員として新人の先生方の悩みを聴いたり、アドバイスしたりする仕事をしています。教育現場には、まだ解決されていない問題が山積しています。しかし、TL人間学(魂の学)による教育は、それらの問題に必ず道をつけることができます。これからも、公教育にこのTL教育を発信し続けてゆきたいと思っています。

高橋先生のご著書『ディスカバリー』