トータルライフ総合事務局

コラム「元気が出る経営と経済」Revitalized Economy & Management

第五回 時代が求める21世紀の経営とは何か ── 新しいパラダイムによる共同体への想像へ

現実を生き現実をひらく「TL人間学」のいのち

それと同時に、飽きっぽく、小さい頃は三日坊主と言われていた私の初心が、この25年の間変わらずにきたことも振り返ってみて改めて驚ろきです。

しかし、それは、高橋先生ご自身が、この25年の間、一日のたゆみもなくその志を生きられ、また人間と世界に対する洞察と、その本質に即した実践を指導してきて下さった基本軸が、少しも動かなかったことに目をみはる歩みであったからだと思います。

「真理は誰によって説かれても真実というわけではない」という言葉があります。これはその真理を説く人の生きられ方がその“真実”を自ずと語るということではないでしょうか。この意味で、私は1つのエピソードとして忘れられない出来事があります。

ある時、高橋先生が“真実”、ということについての私の受けとめ方について、ご指導下さったことがありました。それまでは“真実”ということはそれなりに分かっているつもりだったのですが、先生はそうではなく、「『絶対の真実』がある。そこにどう近づくかという以外に真実はない」、と語られました。その真実に近づくためには「現実にそう生きるしかない」、という意味であると思います。大きな衝撃でした。私にとって、「“真実”と“生きること”が一つのこと」である、と受けとめることができるようになったのは本当に有難いことでした。

同様に、今日、高橋先生のもとで経営者、医療者、教育関係の多くの方々が現実の問題解決のために学び、実践しておられる「因縁果報ウイズダム」(“TL人間学実践企業、実践病院のフロントから”の頁をご参照下さい)という智慧も、先生ご自身が、深い愛念によって困難な事態を切りひらき、願われる状態に転換してゆかれた歩みそのものであり、それを法則として表現して下さったものにほかなりません。

ですから、私たちもそのような愛念を持っていなければこの法則を使いこなすことはできません。これを使いこなす段階も、先生の人や事態に対する関わられ方を見聞し、ならうことによって深まる、というのが実態です。そこからいっても高橋先生と「TL人間学」は切っても切れない関係にあることが基本であると思います。「TL人間学」の“いのち”は、その理論そのものであると同時に、それを支える「何としても事態に応えたい」との切実な心(愛念)であることも心に刻みたいと願います。

(以下次回に続く)